「疲れた……」亜鉛

「疲れた……」
 よろよろとミモザはレオンハルト邸の扉を開けた。
 なんだかアントシアニン色々と濃い時間を過ごしてしまった。
 とりあえず顔に塗りたくった染料は泳ゴーヤ チャンプルーいでいる間に落ちたが、可能ならお風呂に入ってすっきりしたいところである。
(まずはお風呂、次に何か飲んで、ベッドで寝る)
 やりたいことを夢想しながらふらふら歩いていると、
「ミモザ」
 背後亜鉛 サプリから声がかけられた。
「レオン様」
 今は流石に修行する気にはなれないなと思いつつ振り返ると、彼のそばには白い軍服に身を包んだ教会騎士が立っていた。
 嫌な予感がする。猛烈に。
 そしてそんな予感ほどよく当たるものである。
「ちょうどいいところに帰ってきたな。これから教会に一緒に来てくれ」
「えっと、何があったんですか?」
 恐る恐るミモザは尋ねる。それにレオンハルトはいかにも不愉快といった表情で答亜鉛えた。
「ジーン君とマシュー君が失踪した。おそらくは君の姉、ステラ君のもとにいる」
 ミモザはあんぐりと口を開けた。

「皆さんお聞き及びかとは思いますが、先だっての精神汚染事件の被害者であるジーン君とマシュー君の二名が失踪しました」
 そうオルタンシアは重々しく口を開いた。
 場所はいつも通りのオルタンシア教皇の執務室である。もはや恒例かと思われるメンバーがそこには揃っていた。すなわち、ミモザ、レオンハルト、ガブリエル、フレイヤである。
「それと同時に、彼らと思しき人物がステラ君と思しき人物と連れ立って歩いている姿が目マカ サプリ撃されています。証言では彼らはとても仲睦まじそうな様子だったとのことです」
 ダンッと壁を叩く音がした。フレイヤだ。
 彼女は悔しげな顔で嘆いた。
「ジーン! あれほど変な物は食べないようにと言ったのに!」
「妙だな」
「ええ、妙な話です」
 ガブリエル、オルタンシア両名はそれに冷静に告げる。
「一度目はともかく、二度目です。彼らも馬鹿じゃない。差し出されたものを食べるとは思えません」
「何か別の手法で摂取させられたということですか」
 レオンハルトの問いに、
「その可能性が高いでしょう」
 オルタンシアは頷いた。
(別の手法……)
 ミモザは考える。
(一体どんな?)
 あれは経口摂取以外の方法がないと前回の時にオルタンシアから聞いていた。それもそこそこの量を取らなければならない。そのためにバーナードは飴とdha epa dhaいう形で砂糖で味を誤魔化して食べやすくしたのだろうとのことだった。
「何にせよ、このまま放っておくわけにはいきません」
「俺が行きましょう」
 その言葉にレオンハルトが前に進み出た。
 金色の瞳が、静かにオルタンシアを見つめる。
「確実に捕えるために」
「……そうですねぇ」
「僕にも行かせてください!!」
 決まりかけそうな気配に、慌ててミモザは挙手して訴え出た。
 姉の関わることで除け者になるなどごめんだ。
(それになにより)
 ミモザはレオンハルトのことを心配げに見上げる。
 ここで何もせず、万が一のことがあっては悔やむに悔やみきれない。
 レオンハルトが戸惑うように彼女を見た。
「ミモザ、しかし……」
「僕にも行かせてください。必ずお役に立って見せます」
 じっと確かめるように金色の瞳がミモザを見下ろす。それに負けじとミモザは見返した。
 しばらく二人は見つめ合う。それは根比べにも似ていた。
「………いいだろう」
 諦めたように先に目を逸らしたアントシアニンのはレオンハルトだった。彼はふぅ、と息をつく。
「レオン様!」
「ただし」
 喜びに口元を緩めるミモザにレオンハルトは釘を刺す。
「俺の指示に従ってもらう。君のことだから大丈夫だとは思うが……」
「はい」 
 レオンハルトの言いたいことを察して、ミモザは静かに頷いた。
「貴方の指示に従います。足は引っ張りません」
「よし」
 レオンハルトは弟子の物分かりの良さに満足げに頷くとオルタンシアの方を向いて「我々で対応します」と告げた。
 それにオルタンシアが頷く前に、ずいっと割り込む人影がある。フレイヤだ。
 彼女は堂々とその豊かな胸を張ると「当然だけど、わたくしも行くわ」と宣言した。
「オルタンシア様」
 そして銀色の目を細めてオルタンシアに問いかける。
「洗脳を解く方法は、薬が自然に排出される以外にないのですか?」
「そうですねぇ」
 それは重要な質問だった。オルタンシアは難しい表情で記憶を探るように目を瞑る。
「……目には目を、歯には歯を、精神には精神を。強い精神的ショックを与えれば目を覚ます例があったと書物には書いてありましたね」
「わかったわ! 精神亜鉛の効果的ショックね!」
 フレイヤはその情報に鼻息荒く頷く。
(精神的ショックかぁ……)
 色々とやりようがありそうだな、とミモザも一つ納得するように頷いた。
ポリ ペプチドポリ ペプチドマカ サプリ

「美人で巨乳の亜鉛

「美人で巨乳のお姉さんは好きかしら?」
 ぽかんとするミモザの目の前には美人なお姉さdha epa dhaんが立っていた。

 場所は中央教会に移動ポリ ペプチドしていた。このアゼリア王国では一応女神教が主流な宗教である。なぜ『一応』とつけたかといえば、精霊信仰もそれなりの数、というよりもそもそものベースに入ってくるからだ。
 実は女神教自体は仲の良い隣国からの輸入である。この国の土着亜鉛の効果の宗教は精霊信仰であり、それは精霊は守護精霊も野良精霊もみんな尊いため敬いつつ仲良くやっていこうというアバウトなものだ。そこにはあまり具体的な教義や儀式は存在せず、概念だけがある。そして女神教はというと、この世の精霊は総じて女神様が生み出した存在であるという宗教だ。教会も教義も存在するし、実は聖騎士を目指すにあたって攻略しなければならなゴーヤ チャンプルーい7つの塔は通称『試練の塔』といい教会の管理下にある。これは女神様が人に課した試練、故に試練の塔ということらしい。ちなみに女神教が布教される以前の試練の塔は『精霊の棲家』と呼ばれており精霊信仰にとっても聖域に該当していたりする。この二つの信仰は特にぶつかることなく共存していた。理由は精霊信仰のアバウトさだ。女神教が渡ってきた時、この国の人間は精霊信仰マインドにより、精霊っていっぱいいるから精霊を生み出す精霊もいるよねー、というニュアンスでそれを受け入れた。つまり女神様自体も精霊の生みの親ということは精霊なので、精霊を信仰するという行為に変わりはないよサプリメント マカね、となったのである。
 隣国の女神教はもしかしたら解釈が異なるのかも知れないが、少なくともこの国ではどの精霊を信仰するのも自由であり、女神様はすべての精霊の大元ということなので女神様を敬えば全部まとめてすべての精霊を敬ってる感じがするので便利だよねーというぐらいの感覚で急速に普及したという経緯があるのだった。

 真っ白い象牙でできた回廊を歩く。背の高い尖った屋根が特徴的なその建物は床も壁も屋根もすべて白で統一され、唯一窓だけが色とりどりのステンドグラスになっている。そしてその窓一枚一枚が女神教の聖書に書かれる一場面を表していた。
「ミモザちゃんは中央教会は初めてかい?」
 田舎者丸出しでおのぼりさんよろしくキョロキョロと忙しなく周りを見るミモザにガブリエルは苦笑する。
「えっと、王都に来たのがそもそも一週間前が初めてなので」
「そdhaりゃあいい。どこを見てもきっと楽しいぜ。王都はありとあらゆる店や施設がそろってるからな。観光はしたかい?」
「ええと」
 ミモザは言い淀む。それにレオンハルトは鼻を鳴らした。
「生活するのには便利だが、それだけだろう」
 その言葉にガブリエルはやれやれと首を横に振る。
「お前さんにとってはな。こーんなにかわいいお嬢さんなら楽しいことだらけだ。街に繰り出せばショッピングにランチ、きっとナンパもされ放題だな」
 ごほん、とレオンハルトが不機嫌そうに咳払いをする。そして「まぁ、服は新調した方がいいか」と呟いた。
 確かに、とミモザも頷く。3人はそろってミモザの返り血でべとべとになった悲惨な服を見た。
「教皇様にお会いになる前に身綺麗にした方が良かったんじゃねぇ?」
「俺の家に行く通過点に教会があるんだ。二度手間になる」
「まぁお前さんが血みどろで教会に来るのはよくあることだけどよ」
 ガブリエルはため息をついた。
「ミモザちゃん、どーよ。観光にも連れてってくれねぇ、服も血dhaみどろのまま着替える時間もくれねぇ、こんな師匠でいいのか?」
「えっと、特に困ってはないです」
 修行もつけてもらえてお金も稼げて食事も出る。正直いたれりつくせりである。
 そんなミモザの反応に、当てが外れたガブリエルは「無欲だねぇ」と肩をすくめた。
 その時ばさり、と音を立ててミモザの肩に何かが覆い被さった。びっくりして見上げるとレオンハルトは仏頂面で「着ていろ」と言う。
 掛けられたのはレオンハルトの軍服の上着だった。どうやらガブリエルの言葉を気にしたらしい。
 ミモザは掛けられた上着に腕を通し、少し歩いてみた。そして上着のすそをめくってみる。
 案の定、丈の長すぎる上着のすそはずるずると地面に擦られてたった数歩なのに茶色く汚れてしまっていた。
「レオン様、これ」
「後で洗わせる。着ていなさい」
 そのままレオンハルトが歩き出してしまうのに、ミモザは慌てて前のボタンを閉めながらついて行った。
 ガブリエルはそれを新しいおもちゃを見つけたような表情で眺めながら、早足で2人を追い抜いて先頭に出ると一際大きな扉の前で足を止めた。
「ではでは、お嬢さん。こちらに御坐しますはこの中央教会ポリ ペプチドの頭目にして教会騎士団の指揮者、女神教の首魁であらせられるオルタンシア教皇聖下でございます」
 おどけた仕草でお辞儀をし、扉を開いた。

 かくして、扉を開いた先に現れたのは、
「美人で巨乳のお姉さんは好きかしら?」
 黒い軍服に身を包んだ美人なお姉さんだった。
dha epaポリ ペプチド亜鉛

 テーブルアントシアニンの効果

 テーブルの上では燭台の橙色の柔らかい灯りと暖色系でまとめられた花が水差亜鉛 サプリ おすすめしへと生けられて穏やかな晩餐会マカを彩っていた。
 さて、ミモザという少女がレオンハルト邸を訪れて数日が過ぎようとしていた。今までほとんど来客がなく一人しか卓を囲むことのなかったテーブルに二人の人物が腰掛けるようになって数日、マーサは今だに不思議な気持ちでその光景を眺ゴーヤめていた。
 テーブルを囲って初日、少女は神妙な顔をして挙手した。いわく「テーブルマナーがわかりません」。
 主は一瞬虚を突かれたような顔をした後、「礼儀作法の教師を雇おう」と告げてその会話を終わらせた。恐縮する少女に「今後弟子として同行してもらうことが増える。その際にマナーがわからないようでは俺が恥をかく」と言い置いて。
 二人の間の会話はマカ サプリ決して多くない。まぁ、『レオンハルトとの会話量』としては少女はぶっちぎりで多いのだが、一般的なものと比べると少ない方である。しかし二人の間に流れる空気は気安く、とても穏やかなものだった。
 これまでは食事などただの作業だと言わんばかりの速度でマナーは守りつつ食事をさっさとかき込んでいた主人が、今は少女のたどたどしいゆっくりとしたペースに合わせて食べている。気にしていない風に特に何を言うでもないが、同時に食べ終わるようにワインや水を頻繁に口に運んでみたりゆっくりと咀嚼したりと無言で工dha epa dha夫を凝らしている様子は見ていて微笑ましい。そして少女がどのくらい食べ進んだのかを確認する際に彼女がその視線に気づいてにこりと小さく微笑むと、彼は困ったように苦笑を返すのだった。
 ミモザが訪れてまだ数日であるが、これまでただ重苦しく張り詰めていた屋敷の空気が柔らかいものへと変わりつつあった。

(何よりも旦那様の機嫌が良い)
 うんうん、とマーサは上機嫌で頷く。機嫌が良いのはいいことだ。それだけで職場の雰囲気が格段に向上する。よしんば機嫌が悪くともミモザと話していれば今までよりも遥かに短い時間で直るのだ。これには感謝の言葉しかない。
「ずっと居てくれればいいですよねぇ」
 マーサの内面を代弁するように、一緒に廊下の掃除をして亜鉛 の サプリいたロジェが言った。燃えるような赤い髪にブラウンの瞳を持つ彼女は古株だらけのこの屋敷に置いて貴重な若者だ。ぴちぴちの20代の彼女は、彼女いわく「ぞっこんなダーリン」がおり、レオンハルトへ秋波を送ることのない貴重な人材であった。
「ひと月しかいないみたいだねぇ」
 残念に思いため息を吐く。
「えー、延ばさないんですかねぇ、延長、延長!」
「そんなことできるわけがないだろ。まぁ、また来てくれるのを祈るしかないねぇ」
 たしなめつつも「はぁ」とため息が出る。一度良い環境を味わってしまうとこれまでの状態に戻るのが憂鬱でならない。
 その時可愛らしい鼻歌が聞こえてきた。鈴を転がしたようなその明るい声は、ここ数日で聴き慣れたものだ。そちらを向くと廊下の曲がり角から予想通りの人物が姿を現すところだった。
「ミモザ様ぁ、おはようございますぅ」
 ロジェがぶんぶんと手を振って挨拶するクロム。孤児院育ちの彼女は少々お行儀の悪いところがあった。
 その声に少女は両手いっぱいに花を抱えて振り向いた。金糸の髪がさらりと流れ、青い瞳が優しげに微笑む。
「おはようございます。ロジェさん、マーサさん」
 その可愛らしい救世主の姿にマーサとロジェはほっこりと微笑んだ。
「毎朝せいが出ますねえ」
 手に持つ花束を示して言うと、彼女はああ、と頷いた。
「暇ですからね、わりと」
 これも彼女が来てからの変化だ。殺風景で飾り気のなかった屋敷に彼女は庭から摘んだ花を飾って歩く。最初は食卓の一輪挿しからじわじわと始まり、気づけば廊下から執務室までありとあらゆる場所へとそれは入り込んでいた。
 屋敷に勤める女性陣には大好評である。これまでそういったことをしたくても出来なかったのだ。主人に直談判する勇気が誰もなかったからである。しかし彼女は違う。ミモザはこれまで誰もなし得なかったことを何かのついでにひょいと「花飾っていいですか?」と聞いてあっさり許可をもらった猛者である。
「ミモザ様はぁ、お花がお好きなんですかぁ?」
 ロジェがにこにこと訊ねる。それにミモザは「いやぁポリ ペプチド、特にそういうわけでは」と意外な返事を返した。
「そうなんですかぁ?てっきり毎朝飾られているのでお好きなのかとぉ」
「そうですね。これは好き嫌いというよりは……」
 真剣な顔で彼女は言った。
「お花を飾ると家の運気が上がるので」
「運気」
「はい。運気です」
 曇りなきまなこである。
(まぁ、ちょっとオカルト?が好きな子みたいよねー)
 別に害はないのでマーサとしてはどうでもよかった。
「あのぅ、実はお願いがあるのですが」
 ミモザはちょっと困ったように言う。屋敷を訪れてすぐの無表情はなりを潜めている。緊張していたのだとは本人の談だが緊張しているのが周囲に見た目で伝わらないのはなかなかに損な性分だなと思う。
「どうしたんだい?」
 ミモザはもじもじと恥ずかしがりつつ「今日、レオン様は外出らしくて……」と言った。
「一緒に昼食をとってもいいでしょうか?」

 彼女の位置付けは微妙だ。お客様ではないが使用人でもない。主人の弟子として修行をし、家庭教師などから教育を受けているが、使用人としての仕事も少しこなしている。
 つまり彼女の「仕事の先輩方と仲良くしたい」という希望は的外れではないが、おかしな話でもある。
「ーで、連れてきたのか」 
「まぁ、断る理由がなくてアントシアニンねぇ」
 不機嫌そうにジェイドが言うのにマーサは肩をすくめた。
「ふん、まぁいい、わたしは知らん」
 ふん、と顔をそらして使用人の控室であり、食事を取るテーブルの一番隅へとジェイドは腰掛ける。手にはもう昼食のプレートを持っていた。
 そこにミモザが昼食のプレートを持って現れた。彼女はキョロキョロと室内を見渡すとジェイドのちょうど正面の席へと腰を落ち着けた。
「なんでここに座る!?」
 ぎょっとしたようにジェイドが立ち上がる。
「え?」
 ミモザは不思議そうだ。
「またやってら」
 庭師のティムが呆れたようにそれを見てぼやいた。
 そう、何故だかミモザは蛙男ことジェイドに非常に懐いていた。
「席は他にいくらでも空いとろーが!!」
 ミモザはきょとんと「そうですね」と頷く。
「なら!何故!ここに座る!」
「すみません、誰かの指定席でしたか」 
 しぶしぶと立ち上がるのにロジェが「指定席とかないからぁ、大丈夫よぉ」と教えてあげる。その言葉に彼女はきょとん、としてから再び腰を下ろした。
「座るな!」
「でも誰の席でもないと…」 
「わたしが嫌なんだ!!」
「何故ですか?」
 首をひねるミモザに、ジェイドはびしっと指を突きつけた。
「いいか、わたしはな!顔のいい奴が大っ嫌いなんだ!」
 非常に大人げない理由だった。
「ジェイドさん」
 ジェイドのその言葉にミモザは珍しく少しむっとした表情になる。
「な、なんだ」
 自分からふっかけておいてジェイドは怯む。その顔をじっと見つめながらミ亜鉛 サプリモザは「僕、そういうのはよくないと思います」と唇を尖らせた。
「はぁ?なんだと?」
「人の容姿をどうこう言うのは不謹慎です」
「褒めてるんだろうが!」
「でもジェイドさんはマイナスの意味でそう言っています」
 その指摘にジェイドはうっと言葉を詰まらせる。
「褒めてません」
「うっ」
 じぃっと恨みがましい目で見られるのに彼はたじろいだ。
「ミモザ様はぁ、なんでジェイドさん好きなのぉ?」
 ロジェが助け舟を出す。ミモザの視線はロジェへと移った。
「優しいからです」
「はぁ?優しくした覚えなど!」
 しかし返された答えにジェイドは思わずといった様子で声を上げた。再びミモザの視線がジェイドへと戻り、ジェイドは嫌そうに身を引く。
「確かにジェイドさんは大きな声を出します。でも理不尽な暴力を振るったりはしません」
「当たり前だろうが!」
「当たり前ではありません」
 そこでミモザは憂鬱そうに目を伏せた。
「嫌そうな態度は取ります、けれど僕の人格を否定するようなことは言いません。面倒だとは言います、しかし要領の悪い僕に何度も根気強く仕事を教えてくれます。あなたは優しい。だから……」
 顔を上げる。冬の湖のような静かな瞳がジェイドを見つめた。
「だから僕がつけあがるんです」
「つけあがるな!」
 ジェイドはふーふー、と肩で息をする。それを見つめつつ彼女は説明が足りなかったと思ったのか、考え考え言葉をつけたした。
「僕、修行を始めてからマッチョになりました。そのおかげで少し自信がつきました。僕はこれまで、何も言いませんでした。ずっと何も思ったことを言わず、そのくせ周りに期待をしていました。察して欲しいと、自分は何も行動しないくせに」
 そこまでアントシアニンの効果言って、「んー」とまた言葉を探す。
「だからこれからは、少しずつ思ったことを言おうと思ってます。僕は、貴方が好きです。人間として、仕事の先輩として、尊敬しています」
「わたしはお前が嫌いだ!」
 ジェイドの喚くような返答に、ミモザの表情は変わらなかった。ただ無表情に、ジェイドを見つめている。
 それにちっ、とジェイドは舌打ちをした。
「お前、そう言う時は落ち込んだそぶりで涙でも流してみろ。それだけでお前の容姿なら同情が引ける。不器用な奴め」
 そう言い捨てるとそのまま席について食事を始めた。
「一緒に食事をしてもいいですか?」
「好きにしろ、お前がどこで食べようとわたしは知らん」
 にこ、とミモザは笑った。
「僕ジェイドさんはツンデレだと思うんですけどどうですかね」
「ツンデレが何かは知らんがろくでもないことを言ってるだろうお前!なんでも素直に口にすればいいと思うなよ、小娘!」
 えへ、とミモザは花が綻ぶように笑った。
マカマカ サプリゴーヤ亜鉛 の サプリ

 しかし突き飛ゴーヤ

 しかし突き飛ばされた場所が悪かった。彼は起きあがアントシアニンろうとして地面に手をつき、マカ と はその手が地面に飲み込まれた。
「………っ!?」
 草に隠れてよく見えないが、そこは沼であった。この第4の塔はところどころにわかりにくい沼が広がっており、歩ける地面はちゃんと目で見ればわかるようにはなっているものの、よくマカ サプリ注意していないと足を踏み外してしまう危険がある。野良精霊に襲われたり、転んだら最後、底なし沼から自力で這い出るのは困難である。
「捕まって!」
 ステラとマシューは駆け寄るとその手を掴んで引っ張り上げた。ずるり、と泥まみれの男の子が沼から引きずり出される。
「大丈夫か?」
 マシューが尋ねると堰を切ったよマカ サプリうに少年は大声を出して泣き出した。そのままぐずぐずと話し始める。
 いわく、今のは学校のクラスメイトであること、
 いわく、いじめられていること
 いわく、無理矢理連れてこられて突き飛ばされたこと
「……ひどい」
 ステラは表情を曇らせる。
「下手をしたら生死に関わるな」
 マシューも難しい顔でつぶやいた。
 ここは第4の塔である。野良精霊も出現する塔だ。
「……教会騎士の管理はどうなっているのかしら。こんな子を中に通すだなんて、万が一があったら……。いじめdha epa dhaも見抜けないだなんてやっぱり管理方法はもっと厳重にするべきだわ」
 ステラは憤然と言った。それにマシューは困ったように眉をさげる。
「いじめかどうかの判断は難しいよ。本人達が違うと言ったら、資格を満たしていた場合は塔に受け入れざるを得ない」
「でも塔は危険な場所なのよ? ここがあるせいでただのいじめが殺人になってしまうかも知れない! ちゃんと抗議しなきゃ!」
「ちょ、ちょっと!」
 そのまま出入り口を管理する騎士に突撃しようとするステラをマシューは慌てて腕を掴んで止めた。
「まずは男の子に怪我がないか確認させてくれ!」
 そう言ってマシューは男の子の全身を確認すると、小さな擦り傷を見つけてそこに手を当てた。
 柔らかい光がじんわりと灯って傷が早送りのように綺麗アントシアニンに塞がる。
「大丈夫かい? 他に怪我は?」
「だ、だいじょうぶ……」
「そうか、大変だったな」
 なんとか泣き止んだ泥まみれの少年をよしよしと自身が汚れるのも厭わずにマシューは撫でる。少年の目はその優しさに再びうるみ始める。
「あ、あー…、うちには帰れそうか? 送っていくか?」
「ひぐっ、か、帰れるぅ」
「じゃあ入り口まで一緒に行こうか」
 3人で時々少年の泥を落としてやりつつ出入り口へと近づくと、入場管理をしている騎士の中で若い騎士がその様子に気づいて走り寄ってきた。
「どうされました? 救助は必要ですか?」
「もう怪我は治したから問題ないよ、でも事件として報告をあげてもらいたい」
 事件、の言葉に彼は息を呑む。
 試練の塔の内部では原則利用者同士の揉め事は御法度である。事件というのは野良精霊や試練による負傷以外の人為的な被害を意味していた。
 マシューが詳しく報告をしようと口を開くと「サプリメント マカそうなの!」と元気よくステラが先に言葉を放った。
「この子、学校のクラスメイトにいじめでここに連れてこられて沼に突き飛ばされたのよ! 今回はたまたまわたし達が見ていたから良かったけど、そうじゃなければ今ごろ命に関わってたかも知れない! どうしてこの子達のことを中へ通したの? 怪しいとは思わなかった?」
「どうしてって……、その、明確な理由がないと拒むことはできませんので……」
 若い騎士は戸惑うように言葉を濁す。それにステラはむっと眉を寄せた。
「貴方達は問題意識が低いわ。塔の管理が甘いせいでただのいじめが殺人事件になるところだったのよ。危険な塔の管理を任されているんだから、それなりの……」
「ステラ!」
 マシューが鋭く遮る。それに騎士はほっと息をついた。
「どうしたの? マシュー」
 ステラはそれに訝しげに返す。マシューは呆れたように首を横に振った。
「どうしたのじゃないよ、彼を責めるのは筋違いだ」
 その言葉にきょとんとして、少し考えた後にステラは頷いた。
「そうね、教会の管理体制の問題だもの。もっと上の立場の人に言うことよね」
「それはそうだ亜鉛 サプリ おすすめけどそうじゃないよ」
 ふぅ、とマシューは疲れたようにため息をつく。
「例えばの話だけどさ、今回はいじめに塔が使われたけど、彼らがこの子を川に放り込むことだってあり得たとは思わないかい? 誰にでも近づくことのできる川の管理が甘いとその地域の役所を責めるのはちょっと無理があるだろう? 今回のもそれと同じだよ。悪いのはいじめというイレギュラーな行動をする連中で教会騎士にすべての問題の検出は不可能だ。そりゃあ
川に柵を立てたりはできるだろうけどそういう奴らは柵を乗り越えて同じことをするだろう。今回のは事故じゃなくて事件だからね。報告して改善策は練った方がいいだろうけどそんなに喧嘩腰で言うようなことじゃない」
「……っ、でも!」
「君が今回の件を真剣に考えてくれているのはわかるよ」
 マシューはなだめるように笑いかける。
「けど一つのことにこだわり過ぎて他の人の都合に盲目になるのはよくない。……まぁ、俺が言えたことじゃないんだけど」
「……ミモザみたいなことを言うのね」
 ステラの言葉に彼は「うっ」とうめいて胸を押さえた。
「ま、まぁ、受け売りなのは否定しないよ。あんな残酷に人のメンタルをえぐる奴にあんまり感謝はしたくないけど、まぁ、いっぺん精神的にぶん殴られたおかげで視野はアントシアニン広がったよね……」
 ああ、あの時の騎士団の人間はこういう気持ちだったのかなぁ、とマシューはうつろな目でステラにはよくわからないことをぶつぶつとつぶやく。
「どうして……」
 ステラはそんな彼を呆然と見つめた。頭の中で『何か』がおかしいと騒ぐ。
 おかしい。村ではみんなステラに同意してくれたのに。おかしい。ミモザの言うことばかり優先されるなんて。おかしい。アベルがステラのことを否定するなんて。おかしい。マシューがステラの言葉を受け入れないなんて。
 おかしい。
(前はこう言えば喜んでくれたじゃない)
 そこまで考えてステラははっと我にかえる。
(『前』ってなに?)
 頭がずきずきと痛む。マシューとはこれが初対面のはずだ。
「ステラ?」
 頭を押さえて黙り込むステラに、マシューは不審げに声をかけた。
「頭が痛むのか? どこかにぶつけた?」
「……いいえ、なんでもないの」
 ステラはにっこりと笑う。本当はなんでもなくなんてない。ステラは傷ついている。マシューが裏切ったからだ。
(裏切るってなに?)
「ちょっとめまいがしただけなの。この後に用事があったのを思い出したわ。あとは任せてもいいかしら?」
「え? あ、ああ、大丈夫だよ。お大事に」
 ステラは少年とマシューに微笑みかけ、ついでに若い騎士を見た。彼はその視線に嫌そうに身をすくめる。
(わたしが悪いみたいな顔をしないでよ)
 不愉快な気持ちがステラの中で渦巻く。けれどそれ以上は何もdha epa dha言わずに立ち去ることをステラは選択した。
 これ以上今のマシューと言葉を交わしたくはなかった。
亜鉛の効果亜鉛ゴーヤ

 それは修行後のアントシアニンの効果

 それは修行後のお茶の時間が常習化し、ミモザがレオンハルトのこポリ ペプチドとを愛称で呼ぶことサプリメント マカが許されるようになった頃に起こった。
「あ、」
「どうした?」
 問いかけるレオンハルトにミモザは困った顔をする。
「ランチボックスを忘れてきました」
 時刻はちょうどお昼時である。昼食の時間をまたゴーヤぐことがあらかじめわかっていたため用意していたのに、その肝心のランチボックスを丸ごと家に置いてきてしまったのだ。
「仕方がないな。今日は適当にどこかで買うか、外食でもするか」
 頭を掻きながらレオンハルトは提案する。以前の彼ならここは「なら帰るか」となりそうな流れだが、習慣を変えたくない性質なのか、それともミモザとのお茶会もとい食事会にそれなりに意味を見出してい亜鉛 サプリるのか判断に悩むところだ。
「いいですよ、すぐに取ってきます。せっかく作ったのにもったいないですし、それに……」
「それに?」
 ミモザは気まずそうに目をそらした。
「この村、田舎なので外食する店ないです」
 悲しい事実だった。しかしレオンハルトは気に留めた風もなく「王都に行けばいいだろう」などと軽く言う。
「いや、遠いじゃないですか」
「レーヴェに乗っていけば1時間てところだな」
「え?」
 思わず驚いてレーヴェを見る。彼は自慢げに胸をそらし、翼を広げてみせた。
「近くないですか?確か半ゴーヤ日ほどかかると思っていたのですが」
「それは街道を通った場合だな」
「……そんなに差がでるんですか?」
「まずこの村から主要な街道に出るまでに10時間ほどかかる」
「………」
「そこから街道を4時間と言ったところか」
「なんでそんなに街道まで遠いんですか」
「この村に何も特産品も需要もないからだな」
 そのレオンハルトの返答にミモザはうっ、と言葉に詰まる。
「世知辛い話ですね」
 結局それしか言葉を絞り出せなかった。
「まぁ、街道一本通すのに莫大な資金と人手がいるからな。必要のない村を通すより王都に有益な場所を経由するように道を作るのは当然だろう」
「世知辛い話ですねぇ」
 そして無情だ。
 どこの世界でも需要の少ない田舎は冷遇されがちらしい。
「まぁ、でも取ってきますマカ サプリよ。僕の家まで1時間かからないので」
 立ち上がりかけたレオンハルトを制してミモザは「すぐ戻るので待っていてください」とお願いした。
 母や姉とレオンハルトが鉢合わせると厄介だからである。 

「はぁっはぁっはぁっ」
 ミモザは息を切らして走っていた。手には先ほど家から持ってきたランチボックスを抱えている。そのせいでいつもよりも走る速度は落ちていた。
「おい、待てよ!ミモザ!!」
 背後から石が飛んできてミモザの頭に当たる。大した大きさではないが、勢いがあり普通に痛い。
 バタバタと4人分の足音がずっと背後をついてきている。
「てめぇ!ふざけんなよ!逃げるな!!」
 いきりたって怒鳴っているのは当然、アベルであった。

 家にランチボックスを取りに行くところまでは良かった。母はまだ帰っていないのかミモザが用意した母親の分のサンドイッチはまだ冷蔵庫の中に残されていた。ミモザはその隣に置かれたランチボックスを持ってクロムの効能外へと出た。
 そして出会ってしまったのである。
 下校途中のアベルとその取り巻き3人に。
(迂闊だった)
 ミモザは不登校になってから徹底的に姉やアベル達と生活サイクルを変えて生活している。
 学校の授業が始まる時間に起き出し、授業中に外出を済まし、下校以降は家の外には出ない。
 すべてはこの狭い村でアベル達にうっかり鉢合わせないためである。
 しかし失念していたのだ。
 もうすぐ秋休みだったということを。
 秋は実りの季節である。そしてこのような田舎の村では子どもも立派な戦力だ。そのため小麦や稲を植える時期と収穫の時期は学校は長期休みに入る。手伝いをするためだ。そして秋休みに入る前日は午前授業となる。
 今日がその午前授業の日だった。
 そしてミモザは追いかけられる羽目になったのだ。
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 2人でトボクロム

 2人でトボトボと畑に囲まれた道を歩く。まぁ、トボト亜鉛 サプリボしているのはミモアントシアニンの効果ザだけでレオンハルトは相変わらずの堂々たる足取りだ。
 ミモザはちらり、と無言で隣を歩く師を見上げた。
「あのぅ、もしかしてなんですが」
「うん?」
 ミモザの言葉を聞くように、レオンハルトは向き合う形でゴーヤ足を止めた。ミモザも立ち止まる。
「アベルのこと、嫌いですか?」
 その疑問に彼はにっと犬歯をみせて意地悪く笑う。それはイタズラが見つかった子供のような笑みだった。
「わかるか?」
「えっと、まぁ、そうかなって」
「嫌いだよ、あんな奴」
 そう吐き捨てるように言った後、ふと思い直したように彼は「ああ」と吐息を漏らした。
「しかしそんなにわかり亜鉛 の サプリやすかったか、気をつけないといけないな」
「いえ、そこまであからさまではありませんでしたので。でもまぁ、楽しそうだなぁと」
「ふっふ、いやすまない。君にとっては災難だったとは思うのだが……」
 そこでどうにも堪えきれないというようにレオンハルトは笑みをこぼす。それを隠すように手で口元を覆った。
「嫌いな奴を正論で追い詰めるというのは愉快でつい、な。バレないように自重しなくては」
「……あなたにとって幸いであったなら僕も嫌な目にあったかいがあります」
「ここは不謹慎だと責める場面じゃないか?」
 不思議そうに首を傾げるレオンハルトにつられるクロムように、ミモザも「うーん」と首を傾げた。
 2人は鏡写しのように向き合って同じ方向へ首を傾げる。
「僕1人だったら嫌な目にあったっていうだけの話でマイナスで終わっちゃうんですが、あなたが喜んでくださるなら補填されてプラスの出来事になるじゃないですか。意味もなく嫌な目にあったわけじゃないと思えるので」
「ネガティブなのかポジティブなのかわからない理屈だな」
 まぁ、君らしいか、とレオンハルトは微笑む。
「まぁ、君がそう言ってくれると俺も遠慮なく面白がれるというものだ」
「悪い人ですね」
「言っただろう」
 首を傾げるのをやめてレオンハルトは笑った。
「俺は不公平な人間なんだ」
 それは悪党にふさわしい凄みのある笑みだ。
「贔屓するべきは僕じゃなく家族なんじゃないでしょうか?」
 しかしミdhaモザは首を傾げたままだ。ミモザのその疑問に、レオンハルトは笑みを深めた。
「ふふふ、不思議か」
「二人は仲が良いのだと思ってました」
「まさか。あの能天気で恵まれた弟が疎ましくてたまらないさ。格好悪いから言わないだけだ」
 そうだなぁ、とレオンハルトは周囲を見渡す。辺りに人影はなく、あるのは畑と用水路だけだ。
「食べ損ねた昼食でもどこかでとるか」
「よろしいのですか?誰かに見られたら……」
 ミモザとレオンハルトがぐるだとバレてしまうのではないか、そんな不安がよぎる。しかし彼はそんなミモザの懸念を一笑にふした。
「いじめられて落ち込んでいる子どもを慰めるだけさ」
「なるほど」
 それなら、とミモザは頷いた。

 2人並んで適当な木陰へと座り、畑を眺めながらサンドイッチを食べる。用意したコップには水筒からいつものミルクティーをそそいでいた。
「俺の父親はどうしようもないろくでなしの呑んだくれでな、精霊騎士としては優秀だったよアントシアニンの効果うだが酒で問題を起こして軍を首になってからは更に荒れた。母親は娼婦でこっちも酒癖の悪いかんしゃく持ちでね。幼い頃は二人によってたかって殴られたものだよ」
 遠い記憶を思い起こすようにゆっくりとレオンハルトは語った。その口調は内容とは裏腹に随分とのんびりとしており欠片も悲壮感はない。
「ああ、同情は不要だ。母親は俺が幼い頃にあっさり死んだし、父親も俺の身体がでかくなって敵わなくなると大人しいものだったよ。それに俺は元から両親のことを好きではなかったし、なんの期待もしていなかった。まぁ可愛げのない子どもだったんだな」
 この傷も父親がやったものだ。と右目の火傷跡を見せる。
「幼い頃に、なんだったかな。火鉢の炭だったかなんだったかを押し付けられたんだ」
 ああ、火鉢ってわかるか、中に焼いた炭を入れる暖房器具なんだが、とジェスチャーをし始めるのに、「知ってます」とミモザは頷いた。
「見たことはありませんが、知識としては」
「そうか、正直今では廃れて使ってるのなんて魔導石もろくに買えないような貧乏人だけだろう」
「そうなんですか」
 ミルクティーに視線を落としながらミモザが相槌を打つのに、レオンハルトは苦ゴーヤ笑して頭を掻く。
「まぁ、可愛くない子どもは蔑ろにされて当然だ」
 誤魔化すように言われた言葉にミモザは顔をしかめた。
「……当然じゃないですよ」
 全然当然ではない。
「おかしいです」
「……そうか」
 レオンハルトは否定せず、何故かミモザを慰めるように頭を撫でた。慰められるべきはレオンハルトだというのに変な話だ。
「もしまたそのようなことがあれば、今度は僕が守ります」
「すまないが、俺はもう自分自身で身を守れるし君よりもずっと強い」
 そう言いつつもレオンハルトの口元は嬉しげに緩んでいる。ミモザはつまらなそうに口を尖らせた。
「アベルの母親のカーラさんと再婚した頃は一番穏やかだった。たった4年しか持たなかったがね。彼女は賢明な女性だった。親父の『病気』が再燃するとすぐさま切り捨てた。……一応俺のこともアベルとともに引き取るつもりだったようだ。しかしそれは親父が拒んだ。別に俺に愛情があったわけじゃない。カーラさんに嫌がらせがしたかったのさ」
 そこで彼はミルクティーで口を湿らせた。普段こんなに長く話すことのない人だ。どうやら話しずらいらしい。先ほどからあまり視線が合わない。
「2人で王都へ行ってからの日々は最悪だったよ。しかしまぁ、王都にいたおかげで道が開けたとは言えるだろうか。俺は生まれつきガタイが良くて強かった。しばらくの間は精霊亜鉛の効果使いとして小銭を稼いで暮らしたよ。王都では需要に事欠かなかったからな。その関連で人に精霊騎士を目指してはどうかと言われてこうなったのさ」
 精霊使いというのは騎士の資格は持たないが精霊で戦うことを生業としている人達のことだ。騎士になるには色々と条件があるため、あえて騎士にならずに精霊使いとして働く人も多い。むろん、資格職なぶん、精霊騎士のほうが収入は安定していることが多いのだが。
 最初弟とカーラに会いに行ったのは安心させるためだったのだ、と彼は言った。
「彼女は俺のことも実の息子のように可愛がってくれていた。だから俺が無事であるということと、数年とはいえ穏やかに暮らさせてもらったことの恩返しもできたらと思っていたんだ。金は受け取ってはもらえなかったがね」
 苦笑する。伏せられた金色の瞳を憧れるように細め「彼女は理想の母親だった」と囁いた。
「弟のことも可愛がるつもりでいたさ。だが俺がくだらない親父の相手をしている間も、貧困に喘いでいる間も、あの弟は彼女のもとでぬくぬくと育っていたのだと思うと可愛がる気になれなくてな。この田舎の村で俺のことを笠にきて自慢するのを見ていると、ますます萎えてしまった。まぁ、あいつは別に悪くないさ。ただ逆の立場だったらと思う事が時々ある。要するに、ただのみっともない嫉妬さ」
「そうですか、なら僕と同じですね」
 ミモザの言葉に、やっと彼はミモザのほうを向いた。ミモザはそれを見つめ返す。
「僕には出来のいい姉がいて、彼女は僕の欲しいものを全部持亜鉛 サプリってるんです。だから僕はそれが羨ましくて……」
 体育座りをしている膝に、こてん、と頭を預けてミモザは無邪気に笑った。
「僕たち、おそろいですね」
「……嫌なお揃いだな」
 苦虫を噛み潰したような顔をしてみせて、しかしすぐにレオンハルトは口元に淡い笑みを浮かべた。
「初めて人に話した」
「僕もです」
「内緒だぞ。格好が悪いからな」
「はい」
「君の話も内緒にしておいてあげよう」
「まるで共犯者みたいですね」
「まるでじゃないさ」
 ミモザが見つめる先で、彼は金色の目をにやりと歪めて悪いことに唆すような甘い声を出す。
「俺と君は共犯者だよ、間違いなく。だって一緒にアベルのことを陥れただろう」
 人差し指を一本立てて見せると、それをミモザの唇へと押し当てた。
「内緒だ」
 しー、と吐息を吐き出す彼に、ミモザも同意するようにしー、と息を吐き出した。
 2人は身を寄せ合って笑った。
ゴーヤ チャンプルー亜鉛の効果亜鉛の効果マカ と は

 2人でトボトボクロム

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 首を傾げるのをやめてレオンハルトは笑った。
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 そうだなぁ、とレオンハルトは周囲を見渡す。辺りに人影はなく、あるのは畑と用水路だけだ。
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「よろしいのですか?誰かに見られたら……」
 ミモザとレオンハルトがぐるだとバレてしまうのではないか、そんな不安がよぎる。しかし彼はそんなミモザの懸念を一笑にふした。
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「まぁ、可愛くない子どもは蔑ろにされて当然だ」
 誤魔化すように言われた言葉にミモザは顔をしかめた。
「……当然じゃないですよ」
 全然当然ではない。
「おかしいです」
「……そうか」
 レオンハルトは否定せず、何故かミモザを慰めるように頭を撫でた。慰められるべきはレオンハルトだというのに変な話だ。
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 そこで彼はミルクティーで口を湿らせた。普段こんなに長く話すことのない人だ。どうやら話しずらいらしい。先ほどからあまり視線が合わない。
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 精霊使いというのは騎士の資格は持たないが精霊で戦うことを生業としている人達のことだ。騎士になるには色々と条件があるため、あえて騎士にならずに精霊使いとして働く人も多い。むろん、資格職なぶん、精霊騎士のほうが収入は安定していることが多いのだが。
 最初弟とカーラに会いに行ったのは安心させるためだったのだ、と彼は言った。
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 苦笑する。伏せられた金色の瞳を憧れるように細め「彼女は理想の母親だった」と囁いた。
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「僕もです」
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「難しいお話はクロムの効能

「難しいお話亜鉛 サプリは終わったの?」
 その鈴亜鉛 サプリの音を転がすような声は突然降ってきた。
 母がその声の主を振り返る。
「ステラ」
「ごめんなさい。わたしも少しだけお話したいことがあって…」
 申し訳なさそうに恐縮して、けれど姿勢良く落亜鉛の効果ち着いたそぶりでその少女は微笑んだ。
 長いハニーブロンドが彼女の動きに合わせて優雅になびき、美しい晴れた空のような青い瞳が瞳を潤ませて微笑んだ。白いブラウスのワンピースが揺れる。
「妹を、ミモザを助けてくださってありがとうございます」
 ぴょこん、と可愛らしくお辞儀をする。
「ああ、当然のことをしたまでだ。礼を言われるようなことではないよ」
 気を削がれたよう亜鉛な表情でレオンハルトは応じる。それにステラは気づいていないのか会話を続けた。
「いえ、おかげで妹は大きな怪我をせずに済みました。ありがとうございます」
(怪我、してるんだけどなぁ……)
 ミモザはぽりぽりともうすでに血が固まりかけている傷口を掻く。まぁ、大きくないと言えば大きくはない。しかし自分で言うならまだしも、人に言われるともやもやとしてしまう。
 この姉に言われると特に、である。
 傷一つなく美しいステラを見つめ、擦り傷と泥にまみれ髪もちりぢりになってしまったミモザは微妙な顔をしたゴーヤ チャンプルー
「怪我をする前に助けられなかったことをここは責める場面だよ、ええと…」
 言い淀むレオンハルトに、
「ステラ、と申します」
 にこりと微笑んで彼女は言う。
「では、ステラくん。俺はレオンハルト・ガードナーと言う。こちらはレーヴェ」 
 レオンハルトが差し出した手を握り2人は握手を交わした。
「あ、わたしの守護精霊はティアラというんです。猫科で翼があるなんて、わたし達おそろいですね」
 そう、何故かはわからないが、ステラとレオンハルトの守護精霊は非常に似た造形をしているのであった。
 レオンハルトは翼の生えた黄金の獅子なのに対してステラは翼の生えた銀色の猫である。
 ティアラは紹介さゴーヤ チャンプルーれたことが嬉しいのかなーん、と鳴いた。
(制作スタッフが猫好きだったのだろうか)
 なんにせよ、鼠であるチロにとってはどちらも天敵に違いない。
「そうか」
 ステラの台詞にレオンハルトは微笑ましげにふっ、と笑った。ステラの頬が桃色に染まる。その顔はまるで恋する乙女だ。
 それをミモザはげんなりとした表情で眺めた。
(ゲームにそんな描写あったっけ?)
 いや確かなかった、はずだ。ステラがレオンハルトに恋しているなどと。まぁ思い出せないことの多いミモザの記憶などそこまで頼りにはならないのだが。
「それでは俺はそろそろ」
 握っていた手を離し、レオンは言うと身を翻そうとした。
「……っ、あの!」
 その時、意を決したようにステラが声を上げた。その横顔は何かを決意したかのように凛として美しかった。
「なんだい?」
「わたしにも!修行をつけていただけないでしょうか!」
(げ)
 あまりマカにも恐ろしい展開にミモザは青ざめる。
 時間だけがミモザのアドバンテージなのだ。それがほぼ同時に、しかも同じ師匠から教えを受けるなど才能にあふれるステラに対してミモザは敵う要素がない。
 しかしそんな事情はレオンハルトには知ったことではないだろう。彼がその申し出を受けることを止める権利はミモザにはない。
(どうしよう……)
 うろうろと視線を彷徨わせてそれは自然と自分の肩に腰掛けるチロへと着地した。
「チチ」
 その視線を受けるとチロは立ち上がり任せておけとばかりにサムズアップする。そのままおもむろに自分の背中から一際鋭い針を引き抜くと暗殺の準備は万端だぜ!と頷いてみせた。
「‥‥‥」
 ミモザは無言でそっとチロのことを両手でつつみポケットへとしまうとそのまま見なかったことにした。
 一方肝心のレオンハルトはというと決意みなぎるステラをみてふむ、と頷くと「では、これを君にあげよう」と一枚の紙に何事かをさらさらと書き込んで渡した。
 それを不思議そうに受け取るとその中身を見てステラの表情が曇る。
 ミモザにはその紙の中身が手に取るようにわかった。
 筋トレのメニューだ。
 ミモザにも渡さゴーヤれたそれがステラにも渡されたのだ。
 ステラはその紙の内容とレオンハルトを困惑したように交互に見ると「あのー」と口を開いた。
「わたしは精霊騎士としての修行をつけていただきたいのですが」
「もちろんだとも。精霊騎士には体力も重要だ。申し訳ないが俺はそれなりに忙しい立場でね。だから常に付きっきりで見てあげるということは難しい。ある程度の自主トレーニングをこなしてもらう必要がある。そのメニューを毎日継続して行うといい。きっと君の力になるだろう」
 その言葉にステラの表情は明らかに曇った。
 瞳にはわずかに失望の影がある。
「わたしでは、レオンハルト様に直接ご指導いただくには値しないということでしょうか」
 しゅんと肩を落とす姿はいかにも儚げで人の罪悪感を煽る風情があった。
 レオンハルトはその様子にわずかに拍子抜けをするような顔を見せたがそれは一瞬のことで、瞬きをした次の瞬間にはそれはいかにも誠実そうな真面目な表情へと切り替わっていた。
「そういうことではない。なんと言えば誤解がなく伝わるかな。君自身の価値がどうこうではなく物理的に難しいと言っているんだよ」
「すみませんでした。おこがましいお願いをしてしまって。ご迷惑をおかけするわけにもいきませんから、わたしは大人しく身を引きます」
 深々と丁寧に頭を下げマカ サプリる。
 そのしおらしい姿にこれは「いやいやそうじゃないんだ。君は何も悪くはない」と慰める場面だな、とミモザは白けた顔で眺めた。
 姉はこういうのが本当にうまい。本当に天然なのか計算なのか知らないが、相手の同情や気遣いを引き出して自分の都合の良いように物事を進めようとするのだ。
 ポケットの中で殺させろといわんばかりに暴れ回るチロのことを抑えながら、つまらなそうに目を伏せたミモザに
「そうかい。なら残念だが俺が君にできることはないようだ」
 ばっさりと切り捨てるレオンハルトの声が響いた。
 思わず間抜けに口をぽかんと開けてレオンハルトの方を見る。
 ステラも予想外だったのか呆気に取られたような表情で彼を見つめていた。
 それににっこりと爽やかな笑みをレオンハルトは向ける。
 その笑顔は一点の曇りもなく美しく、まるで自分には一切の悪意も他意もありませんといわんばかりだ。
「君には君の進むべき道があるのだろう。いつか俺の元まで自力で辿り着くことを期待している」
 応援しているよ、といかにも善意100%の様子でステラの肩を力強く叩いてみせた。
(うわぁ)
 役者が違う。
 ミモザは舌を巻く。
 ステラのそれは無意識かもしれないがレオンハルトは明らかに意識的に無害を装って自身に都合の良い方向へと話を強引に軌道修正してしまった。
 たぶんステラの相手をするのが面倒くさくなったのだろう。
 そのまますぐに母のほうへと体ごと視線を向けると「では、先ほどのお話の通りにミモザくんのことはこれからは師として時々預かdha epaらせてもらいますので」と話を戻した。
「本当に本日は弟が申し訳ありませんでした」
「そんな、いいのよ。レオンハルトさんのせいではないのだから。最初は強く責めるように言ってしまってごめんなさいね」
「いえ、また何かうちの弟やその他の子が問題を起こすようでしたらすぐに俺に連絡をください。しっかり対応をさせていただきますので」
 そう言ってきっちりと丁寧にお辞儀をしてみせる。母もお辞儀を返しつつどうか頭を上げてください。こちらのほうこそミモザをお願いします、と告げて話を締めくくった。
 結局ステラは驚いた表情のままレオンハルトが立ち去るまで再び口を開くことはなかった。
亜鉛マカ亜鉛 サプリサプリメント マカ

 それは修ゴーヤ

 それは修行後のお茶の時間が常習化し、ミモザがレオンアントシアニンの効果ハルトのことを愛称で呼ぶことが許されるようになった頃に起こった。
「あ、」
サプリメント マカ「どうした?」
 問いかけるレオンハルトにミモザは困った顔をする。
「ランチボックスを忘れてきました」
 時刻はちょうどお昼時である。昼食の時間をまたぐことがあらかじめわかっていたため用意していたのに、その肝心のランチボックスを丸ごと亜鉛 サプリ おすすめ家に置いてきてしまったのだ。
「仕方がないな。今日は適当にどこかで買うか、外食でもするか」
 頭を掻きながらレオンハルトは提案する。以前の彼ならここは「なら帰るか」となりそうな流れだが、習慣を変えたくない性質なのか、それともミモザとのお茶会もとい食事会にそれなりに意味を見出しているのか判断に悩むところだ。
「いいですよ、すぐに取ってきます。せっかく作ったのにもったいない亜鉛 サプリですし、それに……」
「それに?」
 ミモザは気まずそうに目をそらした。
「この村、田舎なので外食する店ないです」
 悲しい事実だった。しかしレオンハルトは気に留めた風もなく「王都に行けばいいだろう」などと軽く言う。
「いや、遠いじゃないですか」
「レーヴェに乗っていけば1時間てところだな」
「え?」
 思わず驚いてレーヴェを見る。彼は自慢げに胸をそらし、翼を広げてみせた。
「近くないですか?確か半日ほどかかると思っていたのですが」
「それは街道を通った場合だな」
「……そんなに差がでるんですdha epaか?」
「まずこの村から主要な街道に出るまでに10時間ほどかかる」
「………」
「そこから街道を4時間と言ったところか」
「なんでそんなに街道まで遠いんですか」
「この村に何も特産品も需要もないからだな」
 そのレオンハルトの返答にミモザはうっ、と言葉に詰まる。
「世知辛い話ですね」
 結局それしか言葉を絞り出せなかった。
「まぁ、街道一本通すのに莫大な資金と人手がいるからな。必要のない村を通すより王都に有益な場所を経由するように道を作るのは当然だろう」
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 どこの世界でも需要の少ない田舎は冷遇されがちらしい。
「まぁ、でも取ってきますよ。僕の家まで1時間かからないので」
 立ち上がりかけたレオ亜鉛 の サプリンハルトを制してミモザは「すぐ戻るので待っていてください」とお願いした。
 母や姉とレオンハルトが鉢合わせると厄介だからである。 

「はぁっはぁっはぁっ」
 ミモザは息を切らして走っていた。手には先ほど家から持ってきたランチボックスを抱えている。そのせいでいつもよりも走る速度は落ちていた。
「おい、待てよ!ミモザ!!」
 背後から石が飛んできてミモザの頭に当たる。大した大きさではないが、勢いがあり普通に痛い。
 バタバタと4人分の足音がずっと背後をついてきている。
「てめぇ!ふざけんなよ!逃げるな!!」
 いきりたって怒鳴っているのは当然、アベルであった。

 家にランチボックスを取りに行くところまでは良かった。母はまだ帰っていないのかミモザが用意した母親の分のサンドイッチはまだ冷蔵庫の中に残されていた。ミモザはその隣に置かれたランチボックスを持って外へと出た。
 そアントシアニンの効果して出会ってしまったのである。
 下校途中のアベルとその取り巻き3人に。
(迂闊だった)
 ミモザは不登校になってから徹底的に姉やアベル達と生活サイクルを変えて生活している。
 学校の授業が始まる時間に起き出し、授業中に外出を済まし、下校以降は家の外には出ない。
 すべてはこの狭い村でアベル達にうっかり鉢合わせないためである。
 しかし失念していたのだ。
 もうすぐ秋休みだったということを。
 秋は実りの季節である。そしてこのような田舎の村では子どもも立派な戦力だ。そのため小麦や稲を植える時期と収穫の時期は学校は長期休みに入る。手伝いをするためだ。そして秋休みに入る前日は午前授業となる。
 今日がその午前授業の日だった。
 そしてミモザは追いかけられる羽目になったのだ。
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 それは修行後のdha epa dha

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 結局それしか言葉を絞り出せなかった。
「まぁ、街道一本通すのに莫大な資金と人手がいるからな。必要のない村を通すより王都に有益な場所を経由するように道を作るのは当然だろう」
「世知辛い話ですねぇ」
 そして無情だ。
 どこの世界でも需要の少ない田舎亜鉛の効果は冷遇されがちらしい。
「まぁ、でも取ってきますよ。僕の家まで1時間かからないので」
 立ち上がりかけたレオンハルトを制してミモザは「すぐ戻るので待っていてください」とお願いした。
 母や姉とレオンハルトが鉢合わせると厄介だからである。 

「はぁっはぁっはぁっ」
 ミモザは息を切らして走っていた。手には先ほど家から持ってきたランチボックスを抱えている。そのせいでいつもよりも走る速度は落ちていた。
「おい、待てよ!ミモザ!!」
 背後から石が飛んできてミモザの頭に当たる。大した大きさではないが、勢いがあり普通に痛い。
 バタバタと4人分の足音がずっと背後をついてきている。
「てめぇ!ふざけんなよ!逃げるな!!」
 いきりたって怒鳴っているのは当然、アベルであった。

 家にランチボックスを取りに行くところまでは良かった。母はまだ帰っていないのかミモザが用意した母親の分のサンドイッチはまだ冷蔵庫の中に残されていた。ミポリ ペプチドモザはその隣に置かれたランチボックスを持って外へと出た。
 そして出会ってしまったのである。
 下校途中のアベルとその取り巻き3人に。
(迂闊だった)
 ミモザは不登校になってから徹底的に姉やアベル達と生活サイクルを変えて生活している。
 学校の授業が始まる時間に起き出し、授業中に外出を済まし、下校以降は家の外には出ない。
 すべてはこの狭い村でアベル達にうっかり鉢合わせないためである。
 しかし失念していたのだ。
 もうすぐ秋休みだったということを。
 秋は実りの季節である。そしてこのような田舎の村では子どもも立派な戦力だ。そのため小麦や稲を植える時期と収穫の時期は学校は長期休みに入る。手伝いをするためだ。そして秋休みに入る前日は午前授業となる。
 今日がその午前授業の日だった。
 そしてミモザは追いかけられる羽目になったのだ。
亜鉛 の サプリ亜鉛 の サプリアントシアニン