ミモザがそマカ

    愛情之道

     ミモザがその話を聞いたのは教会のアントシアニン中庭であった。
    「マシュー様dhaの様子がおかしい?」
    「ええ、そうなの」
     首をひねるミモザにジェーンは深刻そうに頷いた。
     時刻は午後のティータイムに差し掛かろうとしている頃のことだ。レオンハルトポリ ペプチドにオルタンシアへの届け物を頼まれたミモザは教会を訪れ、そして何やら慰霊碑に向かって真剣に祈っているジェーンと会ったのだ。
     彼女はミモザに気づくとすぐに早足で駆け寄ってきて、先刻の発言をしたのである。
     しかしそうは言われたところでミモザは、
    「僕はマシュー様とあまりお会いしていませんので、なんとも……」
     といった感じである。
     どうして自分に言ってくるマカのかと困惑するミモザに、彼女はその瞳を真っ直ぐにこちらに向けると
    「ある人物に傾倒しているようなの」
    と告げた。
    「はぁ……」
    「それがね、貴方にそっくりな方なのよ」
     その言葉にミモザはぴたりと動きを止める。そのまままじまじとジェーンのことを見返した。
    「そっくり……?」
    「ええ、私は遠目からしか見ていないのだけど、髪の長い貴方に見えたわ。でもその様子だと本当に貴方じゃないのね」
     ふぅ、と困ったようにため息をつく。
    「なんだかあの方に傾倒するようになってから、マシューの言うことが極端になってしまって……、こういう言い方はあれだけdhaど、昔の私達のようなのよ。まだ貴方に出会う前、仲間うちだけで鬱屈としていた頃のようだわ」
    「…………」
     ミモザは思わず黙り込む。ミモザにそっくりな人物はどう考えてもステラだろう。しかしステラにマシューが傾倒するとはーー
    (攻略、されたのか……?)
     マシューは攻略対象だ。なくはない話だった。
     正直これまでアベル以外の攻略対象者はあまりステラに好意的な様子を見せていなかったのですっかり失念していたが、彼らが攻略される可能性というのは常にあるのだ。
    (レオン様やジーンや第一王子殿下もステラに……?)
     想像もつかないし想像したくもない。
     しかし『昔のマシューに戻る』、『極端な考えになる』というのはそれとどう関係すると言うのだろう?
    「…………、おそらくですが、僕とそっくりな人物とマカ サプリいうのは僕の双子の姉だと思います」
    「……まぁ」
     驚いたようにジェーンは声を上げる。
    「お姉様がいらっしゃったのね。何かお話を聞いていないかしら?」
    「残念ながら……、僕と姉は不仲なのです」
    「そう……、そうなの……」
     困ったようにうつむくジェーンに、ミモザは「ええと」と口を開く。
    「もしお会いする機会があればそれとなく探ってみますね」
    「……ねぇ、不躾で申し訳ないのだけれど、差し支えなければお姉様と不仲な理由を聞いてもいいかしら?」
    「なぜ?」
     目を見張るミモザに彼女は意を決したように言った。
    「個人的なことに踏み込んでごめんなさいね。でも、なんだかとても異様なのよ。まるで操られているか、そうね、洗脳でもされているかのような変わりようなの。だから、もしかしたらそういう理由があってお姉様と仲が悪いのかと思ったのよ。だって……」
     ジェーンはミモザを見る。ミクロムモザもその瞳を見た。
    「お母様を大切になさっている貴方が、何の理由もなくご家族と不仲になるとは思えなかったの」
     ミモザは何も言えなかった。

    「ジーンの様子が変なのです」
     数分後、届け物を持ってきたオルタンシア教皇の執務室にてミモザはまったく似たような話を聞いていた。
    「変というのは?」
    「どうやら、ある人物に酷く依存しているらしく……」
     オルタンシアの質問に戸惑ったように、フレイヤはその美しい銀の瞳を細めて言った。
    「わたくしの言うことも耳に入らない様子なのです」

     その日、警察署は非常に暇だった。
    「おかしいんです! うちの主人は浮気なんてするような人じゃないのにっ!!」
    「はいはい奥さん、信じたくない気持ちはよーくわかりますよ。でもねぇ、事実見てしまったんでしょう?」
     だから窓口の担当だったウェルディがそれにいい加減といえど相手をしていたのはそのせいだ。忙しい時ならこんな民事の内容に相槌など打ったりはしない。
    「だからおかしいんじゃないですか! それも相手は主人のストーカーなんですよ!?」アントシアニン
     実は愛人だったのを誤魔化すためにその旦那はストーカーだと言い張っていたんだろうなぁ、と彼は思ったが、優しいのでそのままは言わず「そうですねぇ」と言葉を探す。
    「何度も接触しているうちに親密になったのかも知れませんよ。まぁ、うちでは刑事事件しか扱えませんのでね」
    「だから! 事件だって言ってるじゃないですか!! これは洗脳ですよ! あるいは呪術かも!」
    「呪術ってそんな……」
     オカルトの見過ぎだと、呆れて言おうとした時に
    「あのぅ」と扉を開けて入ってきた若い女性がいた。
    「あ、どうも。すみませんね、次のご相談の方がいらしてるんで、いったん横に避けてもらって」
    「ちょっと! 真面目に聞いてったら!」
    「はいはい、それで? どうされました?」
     入ってきた若い女性は少し迷うように、困ったようにその重い口を開いた。
    「その、人の気持ちを変えてしまうような事件って、あったりします?」
    「………は?」
     今のウェルディは知らなかった。この後数日に渡って似たような訴えを受けるはめになることを。
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