レオンハルトは亜鉛

    愛情之道

     レオンハルトは英雄である。
     国に被害をもたらすボス精霊や狂化個体を撃ちマカ サプリ倒し、隣国との親善試合で勝マカ利を収めるなどの数々の手柄を挙げたことにより、平民にも関わらず聖騎士の称号とさらには爵位まで賜ったまさに実力ですべてを手に入れたサクセスストーリーの持ち亜鉛 サプリ おすすめ主だ。
     つまり何が言いたいかと言うと、
     天才は人に物を教えるのに向かない。
     その事実をミモザは今実地で味わっている。

     彼は言った。
    「まずは手本を見せよう」
     それはまぁ、いい。そしてさらにこう続けた。
    「人間は追い詰められた時に本領を発揮する」と。
    「ひぃーー!!」
     衝dha epa dha撃波がミモザの髪をかすめる。
    「はっはっは!逃げてるだけじゃ修行にならないぞ!」
     かくして地獄の鬼ごっこの幕が開けた。

     再びレオンハルトの剣から斬撃が衝撃波として放たれる。ミモザはそれを死に物狂いで避けた。
    「なにをしてる。同じように攻撃して相殺しろ」
    (いや失敗したら死ぬんですが!)
     どうやらレオンハルト的にこの攻撃は見本を見せているつもりらしい。
    (なにをしてるじゃない!)
     貴方のほうこそ一体『なにをしている!』と言いたい。
    (言えないけど!)
     また衝撃ゴーヤ チャンプルー波が放たれた。ミモザが隠れていた岩がチーズのように真っ二つになる。
     ミモザがあちこちの木や岩を盾にしたせいで周囲は大惨事だ。
    (まずい……っ)
     遮蔽物が破壊され尽くし、盾にするものがなくなった。
     レオンハルトが犬歯を剥き出しにしてにぃ、と笑う。
    「さぁ、防いでみせろ!」
    (死ぬ)
     ひやりと冷たいものが体に走る。その時ミモザの身のうちに湧き上がってきたのはどうしてこんな目に合うのかというレオンハルトに対する理不尽な怒りだ。
     学校でいじめられている時も感じていた。もう傷つきたくない。傷つけられたくない。もう誰にも傷つけられるのはーー、
    「いやだっ!!」
     その瞬間、一気に膜のような何かがミモザの周りに広がり、レオンハルトゴーヤ チャンプルーの斬撃を防いだ。
    「……え?」
     手の中からメイスが消えている。目の前には棘が何本も突き出た半球状の透明な壁が広がっていた。
    「防御形態か。なかなか硬そうだな」
     近づいてきたレオンハルトがそれを剣でガンガンと強度を確かめるように叩く。
    「防御形態……」
     パッと思わずメモ帳を取り出して確認する。確かゲームの中でミモザが使っていたものだ。メモには正式名称がわからないので見た目から『ウニの盾』と書いていた。とりあえず使うことが出来たのでチェックをつける。
    「なんだそれは?」
    「……っ!」
     ミモザのメモ帳をレオンハルトは興味深そうに覗き見ていた。驚いている隙にメモ帳を取り上げられる。
    「あっ、それは、なんというか、こういうのが出来たらいいなーっていうやつで!」
    「ほぅ?」
     しげしげと内容を検分して、「よくできているな」と彼は頷いた。
    「基本を抑えているし、どれも実現可能そうなものばかりだ」
    「いやー、サプリメント マカははは……」
     そりゃそうだ。
     どれもゲームの中の『ミモザ』が使っていた技なのだから。
    「印がついているのはもう出来ているものかな?」
    「はい」
     ふむ、とレオンハルトは一つ頷くと「よくわかった」と言ってミモザにメモ帳を返した。
    (何がわかったんだろう)
     嫌な予感がする。猛烈に。
    「まずは防御形態のおさらいをしよう。一度できたからと言って満足してはいけない。いつでも自分の意思でできるようにならなければな」
     言っていることはごもっともだ。ミモザは頷いた。
    「それからメモに書かれていた他の技に関しても可能になるよう協力しよう。ようはその技を出さねばならない状況に追い込めばいいんだ」
     その発言にはミモザは首をぶんぶんと横に振った。次に起きることの予想がついたからだ。
     しかし事態はミモザの予想を裏切った。悪い方向に。
     レオンハルトは笑顔でミモザのことをがしっと掴むと両足に縄を巻き始めた。
    「あのー、これは……」
    「先ほどので君は追い詰められれば本領を発揮できるということが実証された。しかしちょこまかと逃げ回られると面倒だからな。動けないようにしよう」
     そのまま剣を地アントシアニン面へと打ち付ける。一瞬で地面にぼこっと穴が開いた。煙がたっているところを見るに、おそらく蒸発したようだ。
     そこに縄で結えた両足ごと下半身を入れられて埋められた。
    「あの、ご慈悲をいただけないでしょうか?」
     一応聞いてみた。
    「これが俺の慈悲だとも」
     笑顔で返された。聖騎士というより魔王の笑みに見えた。
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